植え替え後の肥料はNG? 「施肥はしばらく待ってから」はなぜでしょう。

植え替え後、

 

新しい鉢と土でリフレッシュした
盆栽の姿を見ると、

 

「早く元気になってほしい!」と、
つい肥料をあげたくなってしまうかもしれません。

 

しかし、ちょっと待ってください!

 

植え替え手順に
「肥料はしばらく経ってから与える」
と書いてあるのを見たことはありませんか?

 

植え替え直後の盆栽に
肥料を与えるのは、NGなんです。

 

今回は、植え替え後は肥料を控える理由を
分かりやすく解説していきます。

 

植え替えで
根はダメージを受けている!

 

植え替えは、
盆栽にとって必要な作業ですが、

根にとっては大きな負担が
かかる作業でもあります。

 

古い土を落とす際に、バッサリと
太根を切ることもよくありますし、

 

それほど根を更新しない時でも
細根はダメージを受けているはずです。

 

また、
新しい土に植え替えることで、
鉢内の環境は
大きく変化しています。

 

つまり、植え替え直後の盆栽は、
すべからく根がダメージを受け、
弱っている状態なのです。

 

 

なぜ肥料を控える必要があるの?

 

根が弱っている状態で
肥料を与えてしまうと、

盆栽にとって良くない効果と
なってしまいます。

 

実は肥料の成分は、
土壌中で濃度が高くなると、

植物の根に含まれる水分を
奪ってしまう性質があります。

 

これを「肥料焼け」と言います。

 

 

肥料焼けって一体なに?

 

肥料焼けは、
文字通り肥料によって

根が「焼けた」

ような状態になることです。

 

植物の根は、
土壌中の水分を吸収しています。

 

しかし、土壌中の肥料濃度が高すぎると、
根の周りの水分が肥料に吸い取られてしまい、
根が脱水状態になってしまいます。

 

浸透圧の関係ですね。 

 

これが
肥料焼けのメカニズムです。

 

 

肥料焼けを起こすと、
根は水分を吸収できなくなってしまいます。

 

その結果、葉が枯れたり、
最悪の場合、枯れてしまうこともあります。

 

ちなみに、有機肥料なら安心という訳でもなく、
化学肥料でも
有機肥料でも
起こりえます。

 

 

肥料焼けの症状

 

肥料焼けの症状としては、以下のようなものがあります。

 

    • 葉の先端から茶色く枯れる

 

    • 葉が黄色くなる

 

    • 葉が落ちる

 

    • 生育が止まる

 

    • 根が黒く変色する

 

根に変化なく、盆栽の上部にのみ
変調が現れることもあります。

これらの症状が見られたら、
肥料焼けの可能性を考えます。

 

肥料焼けを起こさないためには、
肥料の量や濃度に注意し、

施肥後の盆栽の状態を
よく観察することが大切です。

 

特に窒素含有量が高く、
水溶性の高い肥料を一度に
過剰に施すと危険度が高いです。

 

 

植え替え後しばらく待つことで…

 

植え替え後、例えば2週間ほど経つと、
根は新しい土に馴染み、
傷ついた部分も回復してきます。

 

そうすれば、肥料を吸収する力も
回復してくるので、

効率良く肥料を吸収できるようになります。

 

そのため、肥料を与えるなら
植え替え後少なくとも

2週間ほど経ってからが安心
と言われるのです。

 

 

肥料をあげる時の注意点

 

植え替え後
2週間経って肥料を与える場合でも、

以下の点に注意しましょう。

 

    • 少量から始める: 最初は少なくし、徐々に量を増やしていくようにしましょう。

 

    • 薄めの肥料を使う: 濃度が高い肥料は樹に負担がかかるので、液肥なら規定濃度より薄めて使うようにしましょう。

 

    • 葉面散布する: 根の状態に不安がある時は、液肥を散布し、葉から吸収させて補いましょう。

 

    • 未熟な有機肥料は使わない: 根に有害なガスが発生する可能性や、鉢内での発酵による温度上昇で根が傷む時があるので使用しない。

 

    • 高温時に施肥しない: 窒素が多く含まれる肥料や家畜糞尿を主成分とする有機肥料を施すと、含まれているアンモニア成分がガス化して揮発し、樹を傷めることがあります。 

 

    •  元肥は控えめに: もし植え替え時に鉢土内へ肥料を施すとしたら、元肥専用の肥料を使いましょう。根が直接触れても肥料焼けの少ない仕組みと成分になっています。(マグァンプKなど有名ですね)

 

 

まとめ

 

今回は、
植え替え後しばらく
肥料を控える理由を解説しました。

 

肥料は、うまく使えば
盆栽の樹勢を高め、成長スピードを早めてくれます。

 

肥料が少なかったとしても
衰弱するまでいくには相当の期間がかかりますが、

過剰だと肥料やけして
枯れてしまうまで時間はかかりません。

 

たくさん肥料をあげたら
早く大きくなる気がしますから、

たくさん肥料をあげがちですが

基本的には
肥料は少なめが安心と思います。

 

施肥は、盆栽の様子を見ながら
慎重に行いましょう。

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